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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/09 11:57, 提供元: フィスコ

インティメート・マージャー:生成AIへのデータ提供事業会社へ変貌、時価総額100億円で4倍高

*11:57JST インティメート・マージャー:生成AIへのデータ提供事業会社へ変貌、時価総額100億円で4倍高
インティメート・マージャー<7072>は、アドテク領域としてのデータ提供事業会社から、多領域におけるAIデータの提供事業会社へ変化している。2029年9月期までの4ヶ年の中期経営計画を開始、利益CAGRと同等(想定PER26.4倍)以上のPERを目指し、時価総額100億円を早期に達成する目標を掲げている。AI関連銘柄としてバリュエーションは低位にとどまっており、現状の時価総額は30億円となる。

同社は2013年創業のDMP(データマネジメントプラットフォーム)事業を展開する企業である。「データ活用における革命を起こす」を企業理念に掲げ、独自の「IM-DMP」を通じ、企業のオンライン・オフライン双方のマーケティング及びDXを支援する。2025年9月期の売上構成比はマーケティング支援が約5割、Performance DMPが約4割、データマネジメント・アナリティクスが約1割である。国内DMP市場において導入シェアNo.1を誇る。

同社の強みは、データ量、加工技術、汎用性を基盤とした参入障壁にある。市場黎明期から年間2兆件を超える多様なオーディエンスデータを蓄積しており、これを機械学習により顧客ニーズに応じて加工できる体制を構築している。また、データを買い取るのではなく、収益の一部を支払うレベニューシェア方式を採用している点も特徴であり、初期コストを抑えながらデータ資産の拡充を可能としている。さらに、自社の課題意識から2019年にポストCookieソリューションの開発を先駆けて開始しており、3rd Party Cookie規制強化の流れが追い風となり、競争優位性を高めている。あわせて、創業期の労働集約型フルマネージドサービスから、データ・環境のみを提供するセルフサービス型(インフラ提供型)への転換を推進し、人員数に依存しない収益構造への変革を進めている。

2026年9月期2第四半期は売上高1,809百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益159百万円(同19.7%増)で着地した。2期連続で半期売上高・営業利益の過去最高を更新、注力領域であるストック型ソリューションのデータマネジメント・アナリティクスとPerformance DMPが着実に成長した。収益性の高いソリューションの売上比率が増加し、サーバー費用等の固定原価や販促施策の費用負担増もこなして、営業利益も過去最高を更新しており、着実に収益力が向上している。2026年9月期通期では、売上高3,704百万円(前期比10.1%増)、営業利益284百万円(同25.1%増)を見込む。Performance DMPでは案件受注プロセスの効率化により、アカウント数回復を見込む。高収益なデータマネジメント・アナリティクスが利益を牽引する事業構造への転換を加速させており、業績の平準化も進む方針である。

市場環境では、世界の生成AI市場は2030年まで飛躍的に拡大する想定で、生成AIへのデータ提供事業は市場成長と直線的に連動し、加速度的に増加する見通しとなっている。一方で、生成AIの急速な普及により、データ活用が誰にでも可能な時代となっており、同時に、データの価値が再評価され、アドテクの枠を超えて多領域で価値を生む存在となっている。また、マーケティング支援領域でも、インターネット広告の制作や運用を内製する動きが広がる中、効果の高い広告出稿を行うためのデータ自体に顧客のニーズが移行している。このような環境下で、同社は、AIエージェントの活用により、専門人材や代理店に依存せず「データドリブンな広告運用」の完全内製化実現を支援する取組を開始している。つまり、同社はアドテクの一領域としてのデータ提供事業会社から、多領域におけるAI-Readyデータ(※1)の提供事業会社へ変化している。

※1:特定のユースケース向けの AI モデルを教育・運用するために必要な、あらゆるパターン、エラー、外れ値、想定外の事象を正しく反映できるデータ

2029年9月期を最終年度とする中期経営計画における成長戦略は、ポストCookie領域で構築した安定収益基盤と顧客基盤を基に、アドテク領域の進化とクロステック領域でのサービス開発の加速により、領域を横断したデータプラットフォームカンパニーを目指すというものである。アドテク領域においては、効率的で成果重視のマーケティングが求められ、ビジネスモデルの変革を進める。一方、クロステック領域では、生成AIの台頭によりデータ活用が容易となるなか、各事業領域で活用しやすいデータのパッケージ化を進め、セールス・HR・金融・医療などにおいて新規事業の創出を目指す。また、時価総額目標達成を条件とする新株予約権の発行により、経営陣と株主の利害一致を図りつつ、M&Aやアライアンスを含む成長戦略の推進を明確にしている。

直近のトピックスでは、5月21日に世界最大級の広告インテリジェンス「Browsi」とのデータ連携開始を発表した。Browsiは、広告主および広告会社向けのマーケティングインテリジェンスプラットフォームであり、大規模な広告接触データを活用して、デジタルチャネル全体における競合のプレゼンス、クリエイティブトレンド、市場変化に関するインサイトを提供している。今回、インティメート・マージャーの「IM-UID」とBrowsiが保有する広告接触データを連携させることで、 日本市場において国内初となる月間1,320億件以上の広告配信ログを活用したCookieレス環境での広告接触分析とリターゲティングを実現した。これにより、従来のDSPや分析ツールでは困難だった「どのターゲットが、どの競合広告に接触したか」というシグナルを特定し、多角的なマーケティング分析や施策実行が可能になる。同リリースを受けて株価は急騰、5月26日には1,728円まで到達した。

株主還元については、内部留保の充実を基本方針としている。成長段階にあることから配当は実施していない。一方、2025年5月に約215百万円の自己株買いを実施しており、直接的な株主価値還元への意識は示されている。データ活用需要の拡大と生成AI普及という構造的な追い風の中で、データ活用の重要性は一段と高まっており、事業領域の拡大を進める同社の成長ポテンシャルは引き続き注目される。


《YS》

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