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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/04/16 11:02, 提供元: フィスコ

ポールHD Research Memo(2):ゲームソフトのデバッグとインターネット監視事業が祖業

*11:02JST ポールHD Research Memo(2):ゲームソフトのデバッグとインターネット監視事業が祖業
■会社概要

1. 会社概要
ポールトゥウィンホールディングス<3657>は、日本初の独立系デバッグアウトソーシング会社であるポールトゥウィン(株)(1994年設立)と、業界初のネットサポート専業会社ピットクルー(株)(2000年設立、2022年2月に吸収合併により消滅)の共同株式移転方式により、2009年2月に純粋持株会社として設立された。ゲームソフトに潜在する不具合を発見し、トラブルや不測の事態を未然に防止するデバッグの受託事業や、インターネットの健全運営を目的としたネット監視などを行うネットサポート事業が同社グループの原点である。

ホールディングス制に移行した後も「Seize The New※」を企業スローガンに掲げ、「システムとヒト」を両輪とした高い業務品質のサービス提供と国内外での積極的なM&Aにより事業領域を拡大しながら売上高を伸ばし続けてきた。しかし、2015年にM&Aにより本格進出したメディア・コンテンツ事業については競争激化で収益化に時間を要するなか、グループ全体の経営リソースを国内及び海外ソリューション業務に集中することが企業価値の向上に向けて最適と判断し、2025年に事業撤退と関連子会社の売却を完了した。具体的には、2025年6月24日付で(株)HIKEの全株式を売却し、その子会社6社を含めて2025年7月より連結対象から除外した。また、同年8月29日付で(株)アクアプラスの全株式を売却し、その子会社1社を含めて同年9月より連結対象から除外した。なお、映画コンテンツのバリアフリーサービス(障がい者向け字幕・音声映像制作等)を手掛けるPalabra(株)については今後も業務を継続するが業績への影響は軽微で、2027年1月期より業務区分をメディア・コンテンツから国内ソリューションに移管する。

※ 企業スローガンには、「ニーズも市場も環境も変化し続けていくなかで、安定に留まっていては企業価値を持続的に向上することはできません。試行錯誤を重ねることで、私たちは未来を“seize(=つかみ自分のものとする)”します」という意味が込められている。

2026年1月末時点の連結子会社は38社で、国内14都市、海外は14ヶ国17拠点で事業展開している。グループ従業員数は7千名を超え、10年前と比較して売上高、従業員数ともに約3倍に拡大している。なお、海外子会社22社については、子会社ごとに複数の商号(ブランド)で展開してきたが、ブランド価値の向上と業務効率化を図るため、2025年3月に商号を「side」に統一した。


国内ソリューション、海外ソリューションを展開

2. 事業内容
同社グループは、ゲーム、ネット、EC、テクノロジー等を主要対象領域とし、顧客のサービスやプロダクトのライフサイクルに応じたソリューションを提供するサービス・ライフサイクルソリューション事業を手掛けている。「サービス・ライフサイクル」とは、すべてのサービスが生まれてから廃止されるまでに共通して発生する5段階のステップ、と定義している。具体的には川上から「戦略(設計、開発、実装などの方針を定義する段階)」「設計(実際に設計、開発する段階)」「移行(テストを行い、開発から本番運用状態へリリースする段階)」「運用(変化する環境に対応しながらサービス提供を継続する段階)」「継続的改善(サービスの有効性及び効率性を継続的に改善する段階)」の各段階で構成される。川上から川下まで全工程に対応できるリソースやナレッジを1社で有する企業は少なく、同社は各段階で発生するアウトソーシングニーズに対して、グループ一丸となって価値あるソリューションを提供している。

サービス・ライフサイクルの観点からソリューションの一例を挙げると、「プロデュース(制作)」の段階ではゲームソフトやWebサイト等の制作、システム開発など、「チューニング(調整)」の段階では難易度調整、「デバッグ(検証)」の段階では品質検証、システムテスト、セキュリティ診断、ユーザーテスト、「モニタリング(監視)」の段階では監視・広告審査、インフラ運用、サーバー監視、「サポート(支援)」の段階では運営サポート、カスタマーサポート、アクセシビリティチェック、「ローカライズ(地域化)」の段階では翻訳、多言語音声収録、ローカライズQA、「プロモーション(宣伝)」の段階では販売施策・Webサイト構築、PV作成、イベント企画などのソリューションをグループ会社で提供している。各種ソリューションを提供するグループ会社同士が連携してワンストップソリューションを提供することで、受注案件の大型化などグループシナジーを発揮しやすくなっている。

以下、業務区分ごとにそれぞれの内容を概観する。

(1) 国内ソリューション
2026年1月期の売上高に占める割合は53.0%(前期は47.1%)であり、同社の主力事業となる。ポールトゥウィン、(株)SynX(旧 (株)MIRAIt Service Design)、(株)ADOORなど国内子会社にて事業展開している。ゲーム市場向けにはデバッグ、カスタマーサポート、ローカライズ、海外進出支援に関するサービスを、Tech市場向けにはソフトウェアテスト、環境構築、サーバー監視、データセンター運営、キッティングに関するサービスを、Eコマース市場向けにはモニタリング、カスタマーサポート、広告審査、不正対策等に関するサービスを提供している。2026年1月期の売上構成比は、ゲーム分野で48%、Tech分野で27%、Eコマース分野で25%となっている。ゲーム市場向けデバッグではトップシェアを確立しており、今後は成長余地の大きいTech分野に注力する。

(2) 海外ソリューション
2026年1月期の売上高に占める割合は42.6%(前年同期38.8%)で、中間持株会社であるSide International Holdings Limited(英国)を中心に各在外子会社を通じてサービス・ライフサイクルの全工程を一気通貫で手掛けている。具体的には、デバッグ、ローカライズ(翻訳・言語テスト)、音声収録、カスタマーサポート、製品開発サポート、グラフィック開発に関するサービスを提供している。また、2024年9月にGhostpunch Games, LLC(米国)からゲーム開発アウトソーシング事業を譲受している。2026年1月期の売上構成比は、大型スポット案件の受注により音声収録が40%と最も大きくなっており、次いでカスタマーサポートとローカライズがそれぞれ20%、デバッグが15%、開発が5%となっている。

(3) メディア・コンテンツ
2025年8月までに事業撤退を完了したことで、2026年1月期の売上高に占める割合は4.4%(前期は14.2%)に低下した。今後も業務を継続するPalabraは、バリアフリー字幕・音声ガイド制作などを行っており、四半期ベースの売上高は数千万円規模となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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