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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/04/13 10:18,
提供元: フィスコ
石原ケミカル:AIサーバー・HBM向け需要をけん引役に業績拡大、7期連続増配予定
*10:18JST 石原ケミカル:AIサーバー・HBM向け需要をけん引役に業績拡大、7期連続増配予定
石原ケミカル<4462>は、1900年に創業された老舗の化学メーカーである。界面化学(気体・液体・固体などの物質と物質の境界面に関する物性現象の研究)の技術をコアとして、金属表面処理剤、分析装置、ファインセラミックス製品などの高性能・高品質製品の開発販売を行っている。現在は東証プライム市場に上場している。主力は金属表面処理剤及び機器等で売上高の5割強を占める。半導体・電子部品向けのめっき液が中心であり、パソコン・サーバー・スマートフォン・自動車などに搭載される半導体の電子部品をプリント基板と接合するための錫及び錫合金めっきに使用される。そのほか工業薬品が2割強、自動車用化学製品等が1割強を占める。
同社の最大の強みは、全従業員の3分の1以上を研究人員が占める研究開発型企業としての技術力と、製品ライン投入後も万全なアフターフォローを提供する顧客志向にある。金属表面処理剤セグメントでは研究人員の7割以上を配置しており、鉛フリー錫及び錫合金めっき液において国内トップシェアを確保している。自動車用化学製品等は、カーメーカー純正OEMとして採用され、カーディーラー向けに販売されることで、既存車両向け需要を主体とするアフターマーケット分野で事業を展開している。その結果、新車販売動向の影響を受けにくい安定した収益構造を構築している)。
同社が成長戦略の柱として位置付けているのがAIサーバー・データセンター向けとりわけHBM(High Bandwidth Memory)向けの需要拡大である。ウエハバンプ用めっき液は、HBM向けにDRAMを高密度で接続し積層化したメモリの構築に使用されており、最終製品であるAIサーバーや高性能コンピューティング(HPC)向けに需要が拡大している。この分野は需要変動が比較的小さく、市場は拡大基調にある。一方、車載・スマートフォン向け電子部品は底打ちの兆しが見られるものの、本格回復には至っておらず、緩やかな回復にとどまる見込みである。
2025年3月期は、売上高23,630百万円(前期比14.1%増)、営業利益3,400百万円(同46.0%増)、経常利益3,456百万円(同40.7%増)、当期純利益2,465百万円(同29.3%増)であった。売上高は、金属表面処理剤のAIサーバー・データセンター向け需要が堅調に推移したほか、半導体市況の回復により製造装置向け電子材料の販売が増加し、増収となった。利益面では、増収効果に加え製品構成の改善により利益率が向上し、増益となった。売上高及び各利益段階で過去最高を更新した。
2026年3月期第3四半期(累計)は、売上高17,498百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益2,651百万円(同0.2%減)、経常利益2,777百万円(同0.8%増)、当期純利益2,064百万円(同3.2%増)であった。売上は、金属表面処理剤において、生成AI、最先端半導体パッケージ向けは好調に推移したものの、車載・スマートフォン向けの生産調整の影響を受け減収となった。また、工業薬品では、鉄鋼需要の低下による影響も受けた。利益面では、減収の影響があった一方、自動車用化学製品等や電子材料の増益が寄与し、営業利益は横ばいで着地した。経常利益は受取配当金及び為替差益により増益となり、当期純利益は有価証券売却益により増益となった。
2026年3月期通期では、売上高24,500百万円(前期比3.7%増)、営業利益3,510百万円(同3.2%増)、経常利益3,600百万円(同4.1%増)、当期純利益2,550百万円(同3.4%増)を予想している。売上高は、最先端半導体関連の需要拡大に加え、カーディーラー向け化学製品の販売増により増収を見込む。利益面では、高付加価値製品の拡販と、海外拠点の機能強化による安定供給体制の構築により増益を見通している。
2026年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、「成長路線の創造」をスローガンに掲げ、最終年度の2028年3月期に売上高29,280百万円、営業利益4,840百万円、当期純利益3,430百万円を目標としている。売上総利益率35%以上、経常利益率15%以上、安定的にROE10%以上を経営指標としている。主要施策として先端半導体用めっき液などの高付加価値製品の拡大をはじめ、導電性銅ナノインクなど金属ナノ粒子の新規電子材料の事業化を推進する。中国現地法人及び台湾支店を中心とした海外拠点の機能強化により、グローバル展開を加速する。導電性銅ナノインクは国内1社での量産採用が決定しており、今後の販売拡大が注目される。
株主還元については、業績に裏付けられた安定的で継続的な配当を行うことを基本方針としている。2025年3月期の年間配当金は40.0円(配当性向23.1%)を実施し、2026年3月期は前期比4.0円増配の年間44.0円(同23.6%)を予定している。業績拡大を背景に、7期連続の増配を見込んでいる。加えて、2025年3月期には3,102百万円の自己株式取得を実施し、2026年3月期は株主優待制度の拡充をするなど、株主還元に積極的である。足元の株価は、PBRは1.4倍、PERは13倍の水準にあり、最先端半導体関連の需要拡大や株主還元姿勢を踏まえると、評価見直しの余地があると言える。
《YS》
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