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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/04/06 11:08, 提供元: フィスコ

井関農 Research Memo(8):国内は好調、海外は欧州を中心に順調

*11:08JST 井関農 Research Memo(8):国内は好調、海外は欧州を中心に順調
■業績動向

2. セグメントの状況
井関農機<6310>の国内売上高は、プロジェクトZ効果と農家の購買意欲の高まりを的確に捉えたことにより129,452百万円(前期比14.5%増)となった。海外売上高は、欧州が堅調、北米の減収をアジアでカバーして56,318百万円(同1.7%増)となった。

国内では、農機製品と作業機が農家の購買意欲の高まりを的確に捉え2ケタ増収と売上高をけん引した。特に農家の大規模化につれ、大型商品が好調だったようだ。大型田植機の約7割に先端機能の直線アシストシステムが装備されており、作業者のスキルをサポートしている。また、田植え時にセンサが田の深さと肥沃度をリアルタイムで検知して施肥量を自動制御する、土壌センサ搭載型可変施肥田植機なども人気だった。「アイガモロボ」は、軽量・コンパクト化のうえ価格を抑えた2代目が限定1,000台を早期完売するなど好調に推移した。高採算の安定収益源として戦略的に取り組んでいるメンテナンス収入も、部品、修理とも順調に伸長した。加えて大型施設の完工が複数あり、国内合計では大幅な増収となった。

海外のうち欧州では、ドイツで前期に発生した仕入商品特需約50億円が剥落したにもかかわらず、フランスでのコンシューマー向け販売の好調とイギリスでの連結効果でカバーして増収を確保した。北米は、コロナ禍明けに需要が縮小したコンパクトトラクタ市場が引き続き弱含んで推移し減収となった。ただし、金利水準や住宅着工の回復感などから受注環境が改善している模様で、需要は底を形成しつつあると言われている。アジアの売上高は、韓国で在庫調整が完了したため稲作向けの大型・先端商品の出荷が回復、インドネシアでは農業機械化予算の拡大を背景に政府入札向けの出荷が増加し、大幅な増収となった。この結果、海外全体で微増収となったが、ドイツ特需の剥落や北米の環境を考えると、非常に順調だったといえる。

3. 2026年12月期の業績予想
2026年12月期の業績予想について同社は、売上高180,000百万円(前期比3.1%減)、営業利益6,000百万円(同42.0%増)、経常利益4,900百万円(同18.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,000百万円(同8.8%増)と大幅増益を見込んでいる。なお、想定為替レートは、1米ドル=150円、1ユーロ=175円である。

国内は、2025年7月の価格改定の際の前倒し受注の受注残に加え、価格改定後も農家の需要が継続しており、2025年末の時点で豊富な受注残を抱えているようだ。また、米価は2025年に比べて下がる可能性が高いが、安定供給への期待などから農家が十分な粗利を確保する水準は維持できると見られる。しかし、井関熊本製造所から井関松山製造所への移管に時間がかかったことでコンバインの生産が一時的に追い付かず、乾燥機など仕入商品も生産がフル稼働になっていることから、減収予想とした。海外については、3社体制となった欧州はイギリスの連結効果の本格化や販売地域・商材の拡大により増収を予想、北米はAGCOからの受注が増加に転じていることからコンパクトトラクタ市場の底打ちを見込んでいる。一方アジアは、韓国で日本と同様にコンバインの生産が追いついていないため減収を想定している。以上により、海外全体では増収となるものの、国内の減収が響いて売上高全体では減収を見込んでいる。上期と下期に分けると、上期は受注残が残っているため増収を予想している模様である。したがって下期は減収見込みとなるが、大型JAPANシリーズなど新製品投入の予定もあるため、やや保守的な想定といえるかもしれない。

利益面では、プロジェクトZの構造改革効果がより鮮明になってくるうえ成長戦略が本格化、2025年7月の価格改定の効果も顕著となり、営業利益は大幅増益予想となった。売上総利益で減収や仕入価格高騰の影響はあるが、プロジェクトZによる製品利益率改善や価格改定の効果により売上総利益率が大幅に改善する見込みである。減収影響により販管費率は上昇するが、プロジェクトZの効果などにより販管費は実額で減少する見通しである。なお、プロジェクトZに関しては、プラス効果が23億円新たに発生し一時費用が5億円縮小することから、合計で前期比28億円の増益効果を見込んでいる。



■株主還元策
プロジェクトZの効果を背景に連続増配へ
同社は、株主に対する安定的な配当を重要政策の1つとしている。持続的な事業活動の前提として、財務の健全性の維持向上を図りつつ、収益基盤や今後の事業展開、経営環境の変化などを総合的に勘案したうえで、安定的な配当を継続していくことを基本方針としている。なお、剰余金の配当は期末配当の年1回としており、配当の決定機関は株主総会としている。また、プロジェクトZによって顕在化する利益を原資に、DOE2%以上を目標に徐々に増配を図る考えである。以上から、2025年12月期の1株当たり配当金は前期比10.0円増配の40.0円とした。2026年12月期はさらに5.0円増配して45.0円を予定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



《HN》

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