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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/25 11:01,
提供元: フィスコ
クオルテック Research Memo(1):2025年6月期は売上高、営業利益、経常利益が過去最高
*11:01JST クオルテック Research Memo(1):2025年6月期は売上高、営業利益、経常利益が過去最高
■要約
クオルテック<9165>は大阪地盤の品質技術サービス会社だ。自動車部品や電子部品の不良解析・信頼性試験などの受託を行う信頼性評価事業を中核として、レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工事業、その他事業の3軸で事業を展開している。完成車メーカーをはじめとして、多くの大手企業から同社のトータル・クオリティ・ソリューション(TQS)が評価されている。
1. 2025年6月期の業績概要
2025年6月期の業績は、売上高4,025百万円(前期比11.1%増)、営業利益384百万円(同0.9%増)、経常利益384百万円(同4.8%増)、当期純利益219百万円(同18.6%減)となった。最終利益は減益とはなったが、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を記録した。期初の業績予想に対する達成率は、最終利益を除いてほぼ達成した。売上面では、各事業セグメントとも前期比増収を達成、特に主力の信頼性評価事業とその他事業のバイオ事業が好調だった。信頼性評価事業では、パワーサイクル試験(パワー半導体※チップの熱ストレスへの耐久性評価試験)の受注が主要取引先である大手企業を中心に好調で同22.5%増となり、その他の信頼性試験や断面研磨も順調に推移したことにより、全体で同11.2%増となった。微細加工事業は、2025年6月期よりセグメントとなった表面処理技術において主要顧客からの開発案件受注が好調で同29.5%増と大きく伸長したほか、レーザ加工も堅調な受注振りで同8.2%の増収となった。利益面では、信頼性評価事業を中心とした拡販体制増強による増収効果で売上総利益が前期比136百万円増加した。次世代パワー半導体を中心とした研究開発の推進による販管費や研究開発費の増加(133百万円)や人件費の増加(83百万円)があったが、営業利益は増益となった。なお、当期純利益の減益は、投資有価証券評価損等(76百万円)の影響によるものである。
※ 高電圧や大電流を取り扱うことができる半導体
2. 2026年6月期の業績見通し
2026年6月期の連結業績は、売上高4,400百万円(前期比9.3%増)、営業利益405百万円(同5.4%増)、経常利益404百万円(同5.2%増)、当期純利益271百万円(同23.4%増)と増収増益を見込む。信頼性評価事業に加えて、業績が拡大している微細加工事業を中心に成長を図ることで目標を達成する考えだ。利益面では、営業体制強化に伴う人件費増加のほか、次世代事業への研究開発投資を前期比増加させ、252百万円規模とすることで販管費・研究開発費が同274百万円増加することとなるが、計画で見込む増収に伴う売上総利益の増加295百万円で費用増をカバーする考えだ。事業セグメント別では、信頼性評価事業は各分野とも堅調な推移を見込み、同8.6%の増収、同24.3%の増益を見込む。微細加工事業はレーザ加工で医療機器関連の拡大を見込み、同18.0%の増収、同11.3%の増益を見込む。その他事業は経費削減策により営業利益は黒字転換を見込んでいる。
3. 成長戦略
同社は2024年6月期から2027年6月期を、各事業において事業機会を確実に捉え、成長の可能性を広げる期間としている。数値目標は売上高を50億円以上、営業利益率を10%以上とするとともに、設備能力と人員を30%増強する。中長期の目標としては、既存事業領域に加えて新規事業領域へと事業内容を拡大し、長期的には売上高100億円以上を目指す。次世代パワー半導体や先端半導体パッケージ、全固体電池といった次世代デバイスへの対応に加え、MAPプロジェクトとして低コストで安定供給可能な環境配慮型技術を用いたコーティング技術の事業化を推進する。
■Key Points
・2025年6月期は売上高、営業利益、経常利益で過去最高を記録
・2026年6月期は増収増益見込み。多様化・専門化するニーズに試験メニュー拡大で対応
・成長戦略としてトータル・クオリティ・ソリューション(TQS)の高度化を推進
■会社概要
幅広い学術領域をカバーする専門家集団と、設計や製造の現場に精通した技術者集団による独立系検査会社
1. 会社概要
同社は自動車部品や電子部品の不良解析・信頼性試験などの受託、レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工などを手掛けている。信頼性評価事業は電子部品などに対する環境試験、電気試験、振動試験などからなる信頼性評価試験、良品・不良品解析、試験素材切断と切断面の研磨加工、試験機製造販売などを行う。微細加工事業ではビルドアップ基板やフレキシブルプリント基板(薄く柔らかい屈曲可能な基板)などに対する試作・量産レーザ加工を行っているほか、その他事業としてバイオ医療関連製品の受託検査を行うバイオ事業、各種コンサルティング事業などを手掛けている。これらの事業に加えて研究開発部門を有しており、「パワー半導体とオートモーティブ」をキーワードにしたテーマで研究開発を行っている。物理学、化学、電気工学、生化学など幅広い学術領域をカバーする専門家集団と設計開発、生産技術、品質保証などの技術者集団による独立系検査会社である。なお、同社は独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)より産業標準化法試験事業者登録制度(JNLA)の下、ISO/IEC 17025※に適合した試験事業所として登録・認定されている。
※ ラボラトリ(試験所・校正機関)認定は、特定の種類の試験及び校正を実施する機関の技術能力を証明する手段の一つ。ラボラトリがISO/IEC 17025の規格に適合し、試験所・校正機関としての技術能力を有していることを認定する。
2. 沿革
同社は1993年1月、電子部品に関する技術指導や品質管理のコンサルティングを行う株式会社太洋テクノサービスとして大阪府堺市で設立した。設立当初はゲーム基板(ファミリーコンピュータ)の品質改善指導を手掛け、1995年にSEM(電子顕微鏡)を導入して社内で故障解析サービスを開始するなど分析・故障解析分野へ事業を拡大した。2004年に本社を堺市に再移転し社名を現在のクオルテックに変更するとともに、信頼性評価事業を本格化させた。2006年に試験所の国際規格ISO/IEC17025認証を取得し、大手自動車メーカーからの依頼増加の契機となった。2018年のCBC(株)との業務提携、2019年の名古屋品質技術センター設立などで拠点・事業を拡大した。2021年には、世界的検査認証機関であるSGSグループの日本法人SGSジャパン(株)との合弁会社SGSクオルテック(株)を設立し、2023年7月には東証グロース市場への上場を果たした。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
《HN》
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