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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/08/21 11:08,
提供元: フィスコ
マクセル Research Memo(8):MEX26初年度の事業戦略はおおむね順調
*11:08JST マクセル Research Memo(8):MEX26初年度の事業戦略はおおむね順調
■マクセル<6810>の中期経営計画
2. 事業戦略の進捗
MEX26初年度の進捗としては、成長事業への積極投資やポートフォリオ改革を進め、売上及び営業利益の成長を実現したため、事業戦略、財務戦略ともにおおむね順調だったと言える。ただし、ポートフォリオ改革による特別損失計上によりROEが低下したことに関しては、改革効果の実現と資本効率の向上によってROEの改善につなげ、MEX26の目標を必達する方針である。
既存事業の事業戦略として、注力3分野(「モビリティ」「ICT/AI」「人/社会インフラ」)の製品群で事業成長のけん引を図るとともに、報告セグメントを変更してアナログコア事業群の成長にリソースを集中した。また、角形LIBの生産を終了する一方、主力製品である高い信頼性の小型一次電池への増産投資を実行し、加えてM&Aによる成長機会も探索、売上成長と収益性向上の同時実現へ向けエネルギーセグメントにおけるメリハリ付けを加速した。具体的には、アナログコア技術による高い競争力を持つ高付加価値な一次電池の販売を拡大し、車載用は市場シェアの拡大、医療機器用とインフラ(スマートメーター)はグローバルで受注拡大を目指した。また、量産を開始した全固体電池については、2026年3月期以降にも納入加速が期待できる状況となった。
注力3分野の利益貢献について、2025年3月期は、耐熱コイン形リチウム電池や塗布型セパレータ、半導体製造工程用テープは好調だった。一方で、欧州自動車市場の冷え込みで車載カメラレンズユニットが低迷した「モビリティ」、及び半導体の在庫調整やPC・スマホの販売低迷による半導体DMSとEF2(電鋳製品)が不振だった「ICT/AI」が減益となったが、医療機器用一次電池や筒形リチウム電池が好調だった「人/社会インフラ」が増益となってカバーした格好だった。2026年3月期以降は、好調の耐熱コイン形リチウム電池は供給能力の最大化、医療機器用一次電池は増産前倒し、筒形リチウム電池は事業拡大により、それぞれの市場において着実に需要を取り込む方針だ。また、事業環境が厳しかった車載カメラレンズユニットは新規開発の継続や新市場の開拓、コスト競争力の強化により、半導体DMSは2026年3月期後半にも想定される需要拡大を取り込むことでカバーし、3分野ともに成長をけん引する計画だ。
新事業の取り組みについては、全固体電池の事業化に注力するとともに、全固体電池に続くテーマの立ち上げを図った。期待の全固体電池では、独自のアナログコア技術を生かした、幅広い放電温度範囲や長い電池寿命、高容量高出力、高い安全性という強みを発揮し、FAや滅菌用高温データロガー、食品管理など、計画どおり産業機器や小型デバイス向けに採用が進んだ。今後はさらに、インフラや医療機器などの用途を開拓し、採用数と納入規模の拡大を目指す。
営業の取り組みについては、営業活動の強化に向けて技術営業人財やグローバル営業体制の拡充に努めた。特に地道なマーケティングや営業活動をグローバルで強化するとともに、将来の事業拡大につながる「お客様のお困りごとを解決する」提案活動を推進、主要顧客との技術交流会や注力3分野のキャラバン活動を前期比2〜3倍に増やすなど、特に既存顧客向けに技術接点を着実に拡大した。新規顧客の開拓に向けては、キャリア採用やリソース移管により人財の確保と強化、注力3分野の展示会への積極出展などを進めた。
経営基盤の取り組みとしては、基幹システムの共通化によって、間接業務から営業、製造まで幅広くデジタル化を推進し、業務の効率化を進めた。人的資本に関しては、キャリア採用プロセスを強化して計画的に多様な人財の獲得を進めたほか、適正配置によるチーム力向上に向けてタレントマネジメントシステムを構築、技術者のスキルマップの作成を開始するなど人財育成に注力した。知的財産については、知財創生・活用の土台となる人財を大幅に増強する一方、中長期的に収益確保につながる特許群を構築中である。また、サステナビリティ経営に関しては、脱炭素社会の達成を目指してSBT(Science Based Targets)認定取得に向けたコミットメントレターを提出したほか、高容量化技術を採用したコイン形二酸化マンガンリチウム電池の量産を開始し、廃棄物削減や環境負荷の低減につなげる考えだ。
成長投資を着実に実行、財務戦略も順調
3. 財務戦略の進捗
財務戦略の進捗としては、医療機器用一次電池など注力3分野において、顧客とのリレーションを基に成長投資を着実に実行しており順調と言える。今後もペースを落とさず、事業成長のための設備投資やM&Aへ資金を振り向けていく方針だ。具体的には、「モビリティ」において、需要増に対応して耐熱コイン形リチウム電池の増産投資約5億円、引き合いの強い塗布型セパレータの量産設備導入約27億円、「ICT/AI」においては、今後の需要増を見越して半導体DMSの増産投資約20億円、「人/社会インフラ」においては、CGM機器需要の増加に対応して医療機器用一次電池の増産投資約50億円、グローバルの需要取り込みのため建築・建材テープの増産投資約22億円などの投資を実行した。また、資本効率の向上に向けては、MEX26初年度は配当総額22億円、自己株式取得額50億円を実行、単年の総還元性向は180%超となった。引き続きMEX26期間において総還元性向100%以上を目安に継続的な株主還元策を図り、自己資本をコントロールしながら資本効率の最大化を進め、PBR1.0倍超の実現を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
《HN》
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