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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/08/08 11:07, 提供元: フィスコ

城南進研 Research Memo(7):2026年3月期業績はすべての部門で増収、最終損益で6期ぶり黒字転換目指す

*11:07JST 城南進研 Research Memo(7):2026年3月期業績はすべての部門で増収、最終損益で6期ぶり黒字転換目指す
■城南進学研究社<4720>の今後の見通し

1. 2026年3月期業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.9%増の5,901百万円、営業利益で149百万円(前期は230百万円の損失)、経常利益で141百万円(同228百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で93百万円(同420百万円の損失)と増収増益を見込む。売上高は全部門で増収を計画しており、4期振りの増収に転じる見通し。営業利益は同379百万円の増益となるが、このうち売上高の増加で278百万円、PC入れ替れ費用がなくなることで93百万円の増益要因となり、残りは固定費・経費の削減に取り組み達成する考えだ。営業利益と経常利益は2期ぶりの黒字転換となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6期振りの黒字転換を目指す。第1四半期についてはおおむね計画どおりに推移したもようで、今後は夏期講習や冬期講習でどの程度、受講者数を獲得できるかが計画達成のカギを握ると見られる。

(1) 幼児教育部門(単体)
幼児教育部門(単体)のうち、「城南ルミナ保育園」や新たに吸収合併した城南フェアリィーの事業については、保育園の定員充足率が高水準で推移していることから前期並みの売上見込みだが、引き続き「りんご塾」の生徒数増加が見込まれる。また、「Kubotaのうけん」「アタマGYM」や「ズー・フォニックス・アカデミー」並びに名門小学校受験教室「飛翔会」については認知度向上を図ることで生徒数を増やしていく。2024年11月に「くぼたのうけん小学校受験コース」からリブランディングした「飛翔会」は自由が丘校と横浜校の2校で展開しており、初年度の生徒獲得数は計画を下回ったものの、合格実績をアピールするほか、「Kubotaのうけん」「アタマGYM」の生徒に紹介することで生徒数増加を目指す。

また、複合型スクール「キッズブレインパーク」のFC展開については現在、長野県で1社のみにとどまっている。複数の教育プログラムを提供することに対して、人材の確保も含めてハードルが高いと感じていることが主な要因と見られるが、既存の「キッズブレインパーク」の生徒が「城南コベッツ」に入塾するなどグループ内の送客実績も徐々に増え始めており、「城南コベッツ」の生徒数増加につながる取り組みとしても注目される。

(2) 個別指導部門
個別指導部門では高校生の塾生数回復を目指すべく、「城南推薦塾」が監修した総合型・学校推薦型選抜入試対策講座(志望理由書の書き方や小論文の添削、面接対策、映像授業など)の強化を進める。現在、私立大学生の50%超が総合型・学校推薦型選抜入試を経て進学しており、こうした需要を取り込んでいく。「城南推薦塾」は横浜校1校のみの展開で、高3の受講生は約60名と既に定員に達しているほか、新たに開始したオンライン受講コースについても「高3難関大推薦総合コース」では既に定員に達し募集を打ち切るなど人気となっており、潜在需要はあると見ている。「りんご塾」で小学校低学年の取り込みに成功しており、高校生の塾生数を回復させることができれば、減収基調が続いた個別指導部門の売上高も増収に転じる見通しだ。

(3) 映像授業部門
映像授業部門は、新規開校の効果もあって前下期以降増収に転じており、2026年3月期も引き続き高い合格実績をアピールすることで新規生徒獲得に注力する方針だ。生徒数の回復により2026年3月期は4期振りの増収を見込んでいる。

(4) デジタル教材・ソリューション部門(単体)
デジタル教材・ソリューション部門(単体)では、「デキタス」の拡販や「りんご塾」のライセンス提供拡大を推進していく。2024年から本格的にスタートした「りんご塾」のライセンス提供については、立ち上がりこそ緩やかなペースだったものの、「明光義塾」のFC教室でも導入が進み始めるなど、ここにきて導入ペースが加速しているようで、2026年3月期中に教室数で500教室を目指している。理系人材の育成が課題となるなかで、高い人気を獲得している「りんご塾」の成長余地は大きい。

また、新たなソリューション商材として、大学入試における総合型・学校推薦型選抜対策向けのスマートフォンアプリ「推薦ラボ」を2025年度内にリリースする予定となっている。「城南推薦塾」のノウハウを基に開発を進めている同アプリでは、志望理由書の書き方や小論文の添削、面接対策、映像授業などのコンテンツを用意しており、受験生が志望校の選定や合格を目指すための支援ツールとして活用することができる。添削や面接対策については、一部AIを使用した自動化システムを導入する予定である。同社では同アプリを「城南コベッツ」だけでなく、高等学校や学習塾向けにも拡販を進めることにしており、既に複数の学習塾で導入が決まっている。また、教員の業務負担軽減に寄与するツールとして導入を検討する学校も出てきているようだ。「推薦ラボ」の収益モデルとしては、アプリの利用料に加えて広告による収益も狙っている。新入生確保を目的として私立大学が広告出稿する可能性は十分にある。同アプリの拡販が進めばソリューション事業の収益拡大に弾みがつくことになり、今後の動向が注目される。

(5) グループ会社
a) 幼少教育関連
城南ナーサリーで展開している認可保育園は、新規開設予定がなく既存園の定員充足率も高水準で推移していることから、2026年3月期も堅調な売上推移が見込まれる。城南KIDSは校舎の整理統合も一巡し、2026年3月期は英語検定合格者実績などのアピールをしながら生徒数を増やし、増収を目指す。校舎数減少により地代家賃など固定費の削減が進むことから、損益面では増益が見込まれる。

b) 英語教育関連・スポーツ関連・その他
リンゴ・エル・エル・シー及びアイベックの売上高は前期比で微増を見込んでいる。リンゴ・エル・エル・シーについては、新たに語学学習アプリの大手であるDuolingoが実施する英語能力試験※の対策講座をスタートさせており、同講座の受講者数獲得により増収を目指す。アイベックについては引き続きアジア企業からの受注を強化する方針だ。一方、久ケ原スポーツクラブについてはスイミングスクールの在籍者数減少が続くなかで、「マイスポーツ」や、新たに城南コベッツを2教室展開するなどその他のサービスを伸ばすことで増収を目指す。

※ すべての試験がインターネット上で完結する英語試験。特徴として、AIを活用することによって受験者の回答に応じて出題の難易度が変わるコンピュータ適応型テストとなっている点が挙げられる。コロナ禍以降に普及し、世界の4,500超の教育機関で入学要件として同テストが認められている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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