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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/08/07 10:56, 提供元: フィスコ

レオン自動機:食品成形機・製パンラインのパイオニア、業績は堅調ながら株価は割安水準で推移

*10:56JST レオン自動機:食品成形機・製パンラインのパイオニア、業績は堅調ながら株価は割安水準で推移
レオン自動機<6272>は、1963年に設立された、食品加工機械および食品の製造販売を手がける独立系メーカーである。現在は東証プライム市場に上場している。「存在理由のある企業たらん」の社是のもと、社名の由来でもある「レオロジー(流動学)」の応用工学に基づく独自の開発技術を追求して、食文化の継承と発展を目指している。創業当初より「開発企業」「国際企業」「独立企業」であることを企業理念として掲げ、実践してきた。
主力事業は、食品成形機(包あん機)や製パンライン等を手がける「食品加工機械製造販売事業」と、北米を中心にクロワッサンなどの冷凍パン生地を製造販売する「食品製造販売事業」である。事業別売上高構成比は、食品加工機械製造販売事業が約6割、食品製造販売事業が約4割を占める。また海外売上比率は7割と高く、グローバル展開が進んでいる。

食品成形機は「包あん機」の開発から始まり、まんじゅうや菓子類、惣菜まで幅広い製品に対応する。製パンラインでは、クロワッサンやアルチザンブレッド(職人技のパン)など高付加価値製品にも対応可能であり、手作りの味や食感を再現できる技術力を持っている。現在は世界130の国と地域に納入実績があり、「何かを何かで包む」民族食が存在する地域では特に高い需要がある。菓子職人出身の創業者による、味へのこだわりや納得いくまで開発する精神が継承されており、特許保有数は459件(国内138件、海外321件)に上る。同社はこの分野のパイオニアとして、グローバルでも非常に高いシェアを確保している。
北米の食品製造販売事業(オレンジベーカリー)は、もともと製パン機の試作機のテストおよび実演を行うモデル工場としてスタートした。現在は米国内に4工場を保有し、スーパーマーケットやレストランなどに冷凍パン生地をOEM供給している。

2025年3月期は、売上高39,214百万円(前期比4.0%増)、営業利益5,298百万円(同8.5%増)、当期純利益3,889百万円(同5.8%増)であった。北米・南米でのアルチザンブレッド生産ラインや欧州での小型製パン機の販売が好調だったことに加え、食品製造販売事業が堅調に推移し、増収となった。利益面では、売上増加に加えて、原材料費や輸送費などのコストダウン継続が寄与し、増益となった。
2026年3月期は、売上高39,160百万円(前期比0.1%減)、営業利益4,740百万円(同10.5%減)、当期純利益3,200百万円(同17.7%減)を予想している。食品加工機械製造販売事業で、アジアを中心に堅調な需要を見込むものの、食品製造販売事業において円高の影響により減収を見込み、全体では若干の減収となる見通しである。ただし、現地通貨ベースでは増収見込みであり、円高が減収の主要因である。利益面では、原材料費や人件費の上昇、加えて設備投資に伴う先行費用により減益を見込む。

2023年4月からスタートした5ヶ年の中期経営計画では、「改革と企業基盤の強化」をテーマに、2028年3月期に売上高444億円、営業利益率12%、ROE9%の達成を目指している。2026年3月期の想定為替レートをもとに売上高は24億円上方修正し、米国新工場の稼働延期(2026年→2027年)により営業利益率およびROEは、それぞれ1.0ポイント下方修正した。
成長戦略としては、国内での人手不足・省力化ニーズに対応する設備更新需要の取り込み、欧米における製パンラインの好調を背景とした製造体制の効率化、米国カリフォルニアでのスマートファクトリーのモデル実験工場の建設の3点が柱となっている。特に新工場は60百万米ドルを投じて建設し、2027年4月の稼働開始を予定している。フル操業後は営業利益率13%以上、ROE10%以上を確保する計画である。また、スマートファクトリー構想において、信号やスイッチ等の共通化による制御能力向上を目的に、パン製造工程の上下流を担う企業へのM&Aも積極的に検討している。

株主還元については、最重要施策と位置づけている。中期経営計画期間中は連結配当性向40%以上を目標とし、安定配当維持のため「累進配当」を基本方針とする。2025年3月期の年間配当金は44円(配当性向30.4%)を実施し、2026年3月期は年間48円(同40.4%)を予定している。
なお、現在の株価はPBR0.8倍台で推移しており、配当利回りは4%に迫る水準である。これまでは機関投資家向けIRが中心であったが、今後は個人投資家向けにも注力し、企業価値の適正な評価に向けた取り組みを強化していく方針である。


《HM》

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