トレーダーズショップ
トップかごを見るご注文状況このページのPC版


フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/02/07 12:05, 提供元: フィスコ

プロディライト Research Memo(5):回線から端末・アプリまでワンストップで提供できる強み

*12:05JST プロディライト Research Memo(5):回線から端末・アプリまでワンストップで提供できる強み
■プロディライト<5580>の事業概要

3. 業界環境と同社の強み
働き方の多様化、スマートデバイスの浸透、BCP対策の必要性、AIやテクノロジーの発展など様々な環境変化のなか、電話対応のための出社が不要、回線がダウンしても通話が可能、音声通話のテキスト化などによる業務効率化に対応、メンテナンスなどのコストを削減するための「電話のDX」が求められている。このため、音声通信サービス市場では、固定通信の契約数減少が続く一方、モバイルや同社の扱う0ABJ番号※をIPで使える0ABJIP電話が伸びを継続している。なかでもクラウドPBXは、直収型電話サービスや加入電話などのアナログ/ISDNから、050IP電話や0ABJIP電話などIP電話への回線のシフトが進み、法人向け固定電話サービスが頭打ちとなる一方で順調な伸びを続けている。しかし、依然ハードウェアのPBXだけを使用している企業が約8割あることから、そこからのシフトにより今後もクラウドPBXは伸び続けていくことが見込まれている。なお、2025年1月に制度改正により固定電話サービス提供事業者間における双方向番号ポータビリティが開始されるが、これによりクラウドPBXへのシフトが加速することが期待される。

※ 0ABJ番号:03や06などから始まる10桁の固定電話番号のこと。なお、IP電話を通じて0AB-J型番号を取得することもでき(0ABJIP電話)、その場合、電話加入権の購入は必要ない。

こうした音声通信サービス市場における企業の電話システムには、大きく分けてクラウドと大手有力企業が扱っているハードウェアの2種類がある。クラウドはハードウェアに対して、高度な専用システムの必要がなく、設置場所や専門知識、端末の柔軟性、機能性、メンテナンス、導入コストなどの面で優位性がある。一方、一般の企業向けクラウドPBXにも、固定端末に対応していない、品質やアフターサポートが不足しているといった課題がある。同社の「INNOVERA」は、固定電話の番号や機能をそのまま利用できるだけでなく、それ以上の品質やサポート・機能を提供しており、新たに番号を増やすことも可能だ。さらに、オフィスなど一般企業向けクラウドPBX市場には新興の小規模企業が多く、そのなかで同社は、品質やアフターサポートに対する定評に加え上場企業としての規模と信頼感があり、回線も端末・アプリもワンストップで提供していることから、優位性がある。このように同社の「INNOVERA」は様々なシステムに対して強みを発揮していると言える。なかでもワンストップ・ソリューション、ユーザー視点で開発したことによるユーザビリティ、他社サービスとの連携や拡張オプション機能といったフレキシビリティの3つが特徴的な強みだと思われる。また、「INNOVERA」はシステムすべてがクラウド上にあって、間に機械が入らないためノイズが少なく音質が鮮明で、万が一問題が発生してもその場所の特定が容易なので使い勝手が良いことも特徴だ。


KPIは「INNOVERA」アカウント、「IP-Line」チャネル、リカーリング率

4. 収益構造
同社のメインターゲットは首都圏にある従業員11人〜100人の中堅企業だが、初期設定を必要としない小規模向けプランの導入により従業員10人以内の士業やスタートアップへのアプローチ、さらに「INNOVERA PBX2.0」へのアップデートにより利用ユーザー数の上限が増えたことを背景に大企業へとターゲットを拡大することも志向している。このため2022年9月に販売代理店制度「パートナープログラム」を開始し、主要都市圏のみならず地方まで、中堅企業のみならず小規模企業から大企業までを網羅できるようになった。拡大するクラウドPBX市場を同社の成長に十分に取り込んでいく体制が整ってきたと言え、既にパートナー経由の売上高構成比が7割から8割に増え、また大型案件が増加するなど、「パートナープログラム」の成果が現れ始めたようだ。

同社の収益は、クラウドPBX「INNOVERA」、回線「IP-Line」、端末の販売でおおむね構成されている。「INNOVERA」の収益は初期設定収益及びオプションを含むシステムの月額固定の利用料金からなり、アカウント数(利用端末数)の増加とオプション利用率の上昇が成長のドライバーとなる。「IP-Line」は初期設定収益と、月額固定の利用料金及び通話料に応じた課金からなり、チャネル数(同じ電話番号での同時利用可能者数)や通話時間を増やすことで成長が加速する。端末販売は「Yealink」の電話端末や電子黒板の販売代金からなり、販売台数が収益の伸びを支える。このうち市場環境が良好な「INNOVERA」と「IP-Line」は、リカーリング収益で売上高の約8割を占めることから、同社の今後の成長と安定収益を支えることが期待できる。なかでも「INNOVERA」は同社が独自に開発したシステムのため高収益で、「IP-Line」と「Yealink」はそれぞれアルテリア・ネットワークスやYealinkなどへの下払いが発生する。したがって、KPIとして「INNOVERA」アカウント、「IP-Line」チャネル、リカーリング率の3つが重視されている。なお、リカーリング率が高いことから、今後コストの比率が大きく高まる可能性は小さいと想定するが、パートナーシップを強化していることから、パートナー向けインセンティブが変動費的に増える可能性はある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


《HN》

記事一覧

  • 2025/02/07 18:03:7日の香港市場概況:ハンセン1.2%高で続伸、AI物色続く
  • 2025/02/07 17:39:山田コンサルティンググループ---3Q営業利益2ケタ増、コンサルティング事業は売上高・利益ともに増加
  • 2025/02/07 17:39:Sharing Innovations---情報セキュリティマネジメントシステムの最新認証規格で更新審査を通過
  • 2025/02/07 17:38:セキュア---顔認証とrPPGでバイタルデータを計測し、健康管理とストレスチェックができるサービスをリリース予定
  • 2025/02/07 17:37:ソフト99コーポレーション---3Q営業利益・経常利益が増益、ポーラスマテリアル事業は売上高・利益が2ケタ増
  • 2025/02/07 17:35:サンフロンティア不動産---3Q不動産サービス事業は売上高・利益ともに引き続き順調に推移
  • 2025/02/07 17:33:フェイスネットワーク---販売用不動産の売却
  • 2025/02/07 17:33:ギックス---JR西日本公式アプリ「WESTER」が「2024年度IT賞」最優秀賞を受賞
  • 2025/02/07 17:32:タイミー---三田市と事業連携協定を締結し、タイミーを活用したひとり親の就労支援を開始
  • 2025/02/07 17:31:エスプール---奈良県宇陀市とカーボンニュートラルの推進に関する連携協定を締結
  • 2025/02/07 17:29:エスプール---全国54施設目の障がい者雇用向け農園を開設
  • 2025/02/07 17:29:シンバイオ製薬---注射剤ブリンシドフォビル、悪性リンパ腫患者対象の国際共同第Ib/II相臨床試験をシンガポールで開始
  • 2025/02/07 17:27:欧米為替見通し: ドル・円は戻りが鈍い値動きか、日銀利上げ期待も米雇用統計にらみ
  • 2025/02/07 17:26:シンバイオ製薬---24年12月期は業績予想に対して大きな乖離なく着地
  • 2025/02/07 17:25:FCE---「RPAロボパットDX」が導入企業数1600社を突破
  • 2025/02/07 17:25:欧米為替見通し: ドル・円は戻りが鈍い値動きか、日銀利上げ期待も米雇用統計にらみ
  • 2025/02/07 17:05:東陽倉庫など
  • 2025/02/07 17:04:7日の中国本土市場概況:上海総合1.0%高で続伸、銀行株は逆行安
  • 2025/02/07 17:03:東証グロ−ス指数は4日続伸、朝方の小幅安の後は下値の堅い展開
  • 2025/02/07 17:00:東京為替:ドル・円はしっかり、午後は堅調地合い