トップ ・ かごを見る ・
ご注文状況
・ このページのPC版
フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/01/22 16:19,
提供元: フィスコ
ヤマノHD Research Memo(9):積極的な人財投資により「従業員が投資したくなる会社」を目指す(2)
*16:19JST ヤマノHD Research Memo(9):積極的な人財投資により「従業員が投資したくなる会社」を目指す(2)
■ヤマノホールディングス<7571>の中長期の成長戦略
2. 中期経営計画と進捗状況
「2030年ビジョン」の達成に向けた第1フェーズと位置付ける中期経営計画においては、テーマを「つなげる」とし、グループの経営基盤のさらなる充実を図る。「人的資本をより活かす経営」「既存事業の収益安定化」「資本コストや株価を意識した経営」を重点施策としている。
(1) 人的資本をより活かす経営
少子高齢化が進むなか、採用難や人財の流動化は今後さらに進むと予想される。同社グループは、M&Aを通じて出身企業の異なる多様な人財をグループ内に数多く抱え、女性社員比率も72.1%と高いことが特徴であるが、その強みを十分に活かしきれていない状況が、2024年3月期に実施したES調査の結果などで明らかになった。そのため、注力する取り組みを「多様な人財の活躍と有機的な結びつきで生産性の向上につなげる」とした。インナーブランディングによる企業理念(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透、グループを横断した自人事機能の強化、個人のキャリア形成を促進する職場環境の整備などをグループ全体で進める。また、現場を運営する各部門においては、柔軟な働き方、ワークライフバランスの促進、管理職層による組織マネジメント能力の向上、職種別/階層別の育成教育システムの見直し、人事評価制度(項目及び基準)の見直しなどを進める。そのなかで、同社においてグループ全体の従業員の統一採用・教育・育成を行うことも想定しており、各部門、グループ会社間に横串を刺していく人事機能が十分にワークする組織・体制づくりにも期待したい。
この「人的資本をより活かす経営」を進めるために、同社では既にCHRO※1を外部登用し2024年7月には社長直轄の人事戦略室を設置している。すでに、2025年3月期には人事基本機能の改善・強化、2026年3月期にはグループ人事方針の決定、2027年3月にはグループ経営に連動した人事戦略の改善・強化を取り組み項目として定めた。まず、1年目では人事機能の改善・強化、DE&I※2方針の策定、サクセッションプラン※3の策定・実行、人事制度の改定に取り組むこととしている。慢性的な人財不足、採用力の向上という課題に対しては、子会社・同社各事業部の人事担当者の育成によって人事担当者のスキルを向上させ、人事スペシャリストを増やし人事機能を強化する。DE&I方針の策定によって、多様な人財が創造性、革新性を発揮できる公平な職場環境の改善・整備を進める。役職員の高齢化、知識・スキルの伝承の遅れという課題に対しては、サクセッションプランの策定・実行により幹部候補人財や各部署の後継者人財の早期育成を図る計画であり、現時点では各部署の人員体制の分析や3年後を見据えた人員体制の検討を進めている。人事制度については、各等級に求める役割・評価基準が不明確であるという課題があり、これを明確にした等級制度・評価制度の改定を行う予定だ。
※1 Chief Human Resource Officerの略。経営戦略に則った人事戦略や組織づくりを統括する最高人事責任者。
※2 DE&I:Diversity(ダイバーシティ、多様性)、Equity(エクイティ、公平性)、Inclusion(インクルージョン、包括性)を包括した人事戦略であり、ダイバーシティを受け入れ、すべての人がエクイティに扱われ、活躍できる職場環境を実現する(インクルージョン)ことを目指す。
※3 サクセッションプラン(Succession Plan):将来のリーダーや重要なポジションを担う人材を計画的に育成し、円滑に後継者を選定するための計画。
そのほか、人的資本投資をエンゲージメント向上と組織の活性化、業績向上につなげていくGoodサイクルを実現するため、2024年10月より従業員持株会への加入インセンティブを高め、経営参画意識の向上、従業員の資産形成支援を強化する制度改正を行った。従来は、持株会において拠出している会員に対して月次拠出時に当月拠出額の5%を定率で支給していたが、2025年以降は毎年3月から翌年2月までの1年間継続して拠出した会員については、翌年2月の定率奨励金を年間平均拠出金の100%相当額とした。これによって、会員は通常月の5%と合わせ、年間拠出額の約13%の奨励金を受け取ることができる。また、入会時期により継続拠出期間が1年未満の会員についても、入会月から翌年2月までの平均拠出金の100%相当額の奨励金を支給することとした。なお、特別入会キャンペーンとして2024年度については、2024年11月時点の会員のうち、2024年11月から2025年2月まで継続拠出した会員については、新会員も既存会員も対象期間(2024年11月〜2025年2月)の平均拠出金の100%相当額の奨励金を2025年2月に支給することとした。その結果、2024年10月時点の従業員の加入率は30.5%と2023年3月の2.7倍、2024年3月の2.2倍に急上昇した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
《HN》
記事一覧
2025/02/02 10:00:個人投資家・有限亭玉介:トランプ大統領と孫正義氏らのAI開発で早速物色される株【FISCOソーシャルレポーター】
2025/02/02 09:00:豪ドルに先安観【フィスコ・コラム】
2025/02/01 17:00:株ブロガー・さなさえ:米国と中国のAI競争の最中でキラリと光るあの株たち【FISCOソーシャルレポーター】
2025/02/01 15:55:来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀主な意見、米雇用統計、日米企業決算発表本格化
2025/02/01 14:23:新興市場見通し:グロース市場250指数は200日線を明確に突破、AI関連を軸に出遅れ物色続くか
2025/02/01 14:23:米国株式市場見通し:トランプ関税や重要経済指標など見極め材料多く横ばいか
2025/02/01 14:22:国内株式市場見通し:「DeepSeekショック」で急落した半導体株が日経平均の重しに
2025/02/01 14:21:米国の注目経済指標:1月雇用統計は12月実績を下回る見込み
2025/02/01 14:20:為替週間見通し:底堅い値動きか、米雇用統計次第でドル買い戻しの可能性
2025/02/01 14:10:英ポンド週間見通し:伸び悩みか、英中銀は利下げの公算
2025/02/01 14:09:豪ドル週間見通し:伸び悩みか、12月貿易収支が有力な手掛かり材料に
2025/02/01 14:08:ユーロ週間見通し:下げ渋りか、域内経済の先行きを注視
2025/02/01 14:07:為替週間見通し:底堅い値動きか、米雇用統計次第でドル買い戻しの可能性
2025/02/01 14:06:米国の注目経済指標:1月雇用統計は12月実績を下回る見込み
2025/02/01 14:04:国内株式市場見通し:「DeepSeekショック」で急落した半導体株が日経平均の重しに
2025/02/01 14:03:新興市場見通し:グロース市場250指数は200日線を明確に突破、AI関連を軸に出遅れ物色続くか
2025/02/01 14:01:米国株式市場見通し:トランプ関税や重要経済指標など見極め材料多く横ばいか
2025/02/01 10:00:個人投資家・有限亭玉介:トランプ政策に翻弄されずあくまで国策銘柄に注目すべし【FISCOソーシャルレポーター】
2025/02/01 08:57:31日の米国市場ダイジェスト:NYダウは337ドル安、トランプ政権の関税政策を警戒
2025/02/01 08:56:ADR日本株ランキング〜日本郵政など全般売り優勢、シカゴは大阪比275円安の39355円〜