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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2024/12/23 16:12, 提供元: フィスコ

日本電技 Research Memo(2):「計装エンジニアリング」を強みとする業界の草分け

*16:12JST 日本電技 Research Memo(2):「計装エンジニアリング」を強みとする業界の草分け
■会社概要

1. 会社概要
日本電技<1723>は、オフィスビルをはじめホテルや病院、工場など大型の非居住用建築物の空調設備を自動制御する空調計装の分野、及び工場の生産ラインや搬送ラインを自動化する産業システムの分野を領域に事業を展開している。主力の空調計装関連事業は、自動制御機器大手であるアズビルの最大手特約店として、また業界の草分け的な存在として、豊富な実績とノウハウを誇る。加えて、同社を含むアズビルグループが大半を握る空調計装市場で、唯一設計から施工、メンテナンスまでを手掛ける「エンジニアリング企業」として強みを発揮している。成長が期待される産業システム関連事業では、空調計装やエンジニアリングのノウハウ、子会社ジュピターアドバンスシステムズ(株)の生産管理システムなどをベースに、最適化・省人化によって工場や生産ラインのスマート化を支援するなど付加価値の高い事業を行っている。こうした「計装エンジニアリング」の技術は、高品質な空間の創出や生産効率の向上に寄与するだけでなく、ビルや工場から排出されるCO2を削減することもできるため、脱炭素などサステナブルな社会の実現にも貢献している。


主力の空調計装と期待の産業システムを展開

2. 事業内容
同社の事業は、主力の空調計装関連事業と期待の産業システム関連事業に大別され、2024年3月期の売上高構成比はおよそ9対1となっている。

(1) 空調計装関連事業
空調計装関連事業では、熱源制御、空調制御、動力制御、中央監視装置などによって、非居住用建築物の空調自動制御システムをトータルでプロデュースしている。最適な自動制御システムにより快適な空間を実現し、設備・機器の更新提案や建物のエネルギー管理のサポート、省エネ化提案などを行うことで、顧客の建物資産の保全やライフサイクルコストの低減を支援している。空調計装関連事業は、新設工事と既設工事に分けられる。新設工事は同社の主軸であり、建物の建築時に導入される空調設備のシステム設計から施工、引き渡し前の試運転・調整、引き渡し時の取扱説明までをワンストップで行っている。また、熱供給設備(地域冷暖房プラント)では、エネルギーを供給するための各設備機器の自動制御に関するシステム構築も行っている。既設工事では、建物の完成後、空調設備の保守・保全や設備更新に携わる一方、エネルギー効率や設備の運用状況の改善によって省エネ化・省コスト化をサポートしている。

(2) 産業システム関連事業
産業システム関連事業は工場全体の自動化・省人化が事業領域で、「計装エンジニアリング」技術を背景に、小規模工場から大規模工場までの生産プロセス(生産工程)や搬送ラインにおいて、計測機器やロボットなどをセットアップし、自動制御するシステムの構築をサポートしている。具体的には、1) 電気計装工事のほか特殊仕様のユーティリティ設備(冷温水、蒸気、圧縮空気など)における自動化・省人化、2) 安全性の確保や仕分け作業の精度・効率向上などのサポート、3) 箱詰め・検査・荷捌といった人手のかかる工程へのロボット導入などによる生産性の向上、4) 人が介在しないことによる安心・安全(フードディフェンス)の確保などで、人手を多く使う食品や医薬品を中心に製造現場が抱える様々な課題に応えることで、顧客のバリューチェーンの最適化を支援している。これはまさに工場のスマートファクトリー化と言え、市場が大きく広がり始めているところである。同社もこうした市場を取り込むため、AIやIoT、クラウドといった最新技術の活用を積極的に進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


《HN》

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