Q. 銘柄選びは資産運用の下流とは、どういうことでしょう? A. 資産運用は、大きく分けると、上流部分と下流部分になります。上流部分は、「国内や海外の債券、株式、不動産といった投資対象(アセット・クラス)をどのように組み合わせて運用するか」になります。下流部分は、例えば、「日本株という投資対象をどう運用するか。わかりやすく言えば、どの銘柄を選ぶか」になります。そして、リターンのほとんどは上流部分で決まるといわれているのです。
A. 個別銘柄選びに意味がないというような乱暴な言い方はしませんが、効率的に考えるのであれば、そういうことになるでしょうね。
A. “初めて”ということで考えれば、本の中で「安定型」として紹介している、日本債券60%、日本株式15%、外国債券10%、外国株式15%がお勧めです。
A. 今年は例外の年なので説得力に欠けるのですが、通常であれば、株というのは下がってもせいぜい2割なんですよ。安定型というのは、日本株と外国株合わせて30%の組み入れですから、仮に2割下がったとしても、総資産の中では6%の値下がりですみます。それくらいの値下がりであれば、確かにつらいかもしれませんけど、耐えられる範囲だと思うのです。 サラリーマンの方は、毎月、給料がもらえますよね。一生懸命がんばったのに持ち出し、つまりマイナスになるという経験はないと思うのです。でも、投資というのは、努力したからといって、プラスになるとは限らないのです。マイナスになる年もあります。そういう経験をせざるを得ないときでも被害が少ないという理由から「安定型」がお勧めかなと思います。
A. 今のようなマーケットの状況では、持株の中に大幅に値下がりしたものや買い付けたときの前提条件が崩れているものが少なくないはずです。 そこで「現状であれば、その銘柄に新規投資を行いたいか」という視点で持株のチェックを行ってもらいたいのです。もし「買いたくない」と思うようであれば銘柄整理の対象となります。 銘柄整理で得たキャッシュで、徐々にアセット・アロケーションを組んだ投資に移行するのがいいでしょうね。
A. いつまでも塩漬け株を抱えていれば、投資資金が死んでしまいます。また、気分的にも前向きになれないでしょう。そうであれば、方向転換を図るのも一案だと思いますよ。
A. あまり、杓子定規に考えないことでしょうか。例えば、2006年のJ−REITや2007年のBRICsは明らかに過熱していました。そういうアセット・クラスは、無理やり組み込まず、様子を見ることも大切です。
A. 確かに、個別銘柄選びは楽しいです。しかし、その前に考慮しておきたいのがアセット・アロケーションです。新興市場の小型株中心に投資を行ってきた私が2006年に大ケガをしなかったのはアセット・アロケーションを組んだ投資に移行したからです。 時間のとれる年末年始に、この本を読んで、自分の投資について再考するきっかけにしていただければ幸いです。
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