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「先物相場はモノの売買ではなく、人間心理の売買である。」と筆者は喝破している。
なぜ相場に失敗するのか、それは人間心理の弱さであると見抜いている。
因果玉を切れない人間の弱さ、利の乗った玉を維持できない人間の弱さ。
相場記者として50年間相場を見つめてきた者だからこそ言える言葉
「相場に大切なのは1に損切り、2に損切り」
全文が相場のことを述べているのではないので、最初は面食らう。
故事、易学、宗教、戦記、日本風俗etc・・・・。
いったい何の本なんだという苛立ちにはこう答える。
「相場、相場、相場と、相場のことばかり考えていても、相場は上達しないものである。
人間とはいかなるものかを知らなければ、相場は判らない。」
また、筆者は相場だけではなく、日本社会をも喝破している。
「日本は落ちていくだけである。国家が国鉄・山林・農業・ゼネコン・銀行・生保・証券の後、
いよいよ老人を食い殺す段階にきている。」と。
その底流には矛盾に満ちた日本に対する「売り屋」の冷徹な目がある。
時代に対する「逆張り」が透徹されていることに驚嘆。
正直な所、含蓄が深すぎて(それとGeneration Gapのため)、
よくわからない箇所もある。でも何度も読んで味わううちに相場の本質が見えてくる。
単なる当てものや、体制迎合主義のマニュアル本とは全く次元の異なる書であり、
現実にポジションを持つ者にとっては、
ロングストリートの『相場のこころ』と双璧をなす傑作である。
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