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積立投資のすべて 誰にでも始めやすい富裕の王道を徹底研究

 本書の題名は「積み立て投資のすべて」。確かに題名どおりの内容である。

 積み立て投資のついて、様々な商品や価格の変化などの事例を挙げながら、そのパフォーマンスを具体的に示している。

 本書を読んであらためて感じるのは、大きく価格が下落することがあっても一定価格が戻れば、積み立て投資は損失が出る可能性はかなり小さいということである。

 逆に言えば、価格が大きく下がることを利用して利益が出やすい投資方法を取っているということもできる。

 但し、人の感覚として長期に含み損の状態が継続したり、大きく価格が下落したりしても、長期投資の成果に確信を持って 投資を継続できるのかどうかという問題がある。最悪なのは、価格が大きく下落した時にビビッてすべて売却したり、投資を 継続することをやめてしまったりすること。

 価格が安い時に沢山の数(口数)を買うからこそ、その後価格が戻った時に利益につながりやすくなるのであり、そのために は分散投資を取り入れリスクを分散・低下させながら、相場の動向で一々裁量で売買判断をすることなく、長期で積み立て投資 を行っていくことは利益につながりやすいと思われる。

 本書は積み立て投資について多様な視点から具体的に検証をしている労作である。

 無論、投資期間が長期だからといって必ず利益につながるなどどということは言えない。だが、投資のスタイルとしては、一 々一喜一憂せずに続ける投資方法として、意味や価値があるということを改めて感じた。

(ふしみん、50代、公務員)


投資信託などを毎月一定額を積み立てていくという積立投資。この積立投資について、最初に下がったあとに上がったら、損するのか得するのか?最初にあがったあとで下がったらどうなるか?など、さまざまなシミュレーションの結果が書いてあります。

これは、積立投資をやるにあたって参考になると思われます。たとえば、一直線に上がった場合は、最初に一括投資をした場合に比べて、だいぶ利益が削られてるとかいった具合です。

また、アメリカにはライフサイクルファンドといって、運用期日まで自動的に資産配分などを調整してくれるファンドがあるそうです。これは、若いときは株式中心、年をとっていくにしたがって債券の比率を増やしていくといった具合です。年をとってからリーマンショックなどといった事態がおこると、株式中心だとつらいですから、こういったやり方というのは、日本でもどんどんとりいれてほしいです(一部ではとりいれられているらしいです)。

ただ、投資信託といった価格変動商品や分配金は、複利で増えていくわけではないというのは、ちょっと驚きでした。投資信託を積み立てると複利で増えて最終的には大きな金額が積み上がるという説明をよく聞くので、すっかりそうだと思っていましたが、複利があてはまるのは、確定利付商品の場合だそうです。これは勉強になりました。

あと、価格が下がったら、たくさんの口数を買い、上がったら、少ない口数を買うので、平均買付単価を押し下げる効果があるというのは、間違いで、価格が上がると変える口数は少なくなり(つまりは高値掴み)、平均買付単価が上がるので、価格が上昇したときは、少し下がっただけで赤字になりやすいというのが正しいそうです。これも気を付けたいところです。

また、筆者は、リバランスは基本的に必要ないとしています。具体的には本書を読んでいただくとして、これは、投資まで手が回らないといった人には朗報かと思います。

筆者は、積立投資だけを推奨しているわけではありません。これから世界経済が成長していくことを前提として、積立投資と一括投資を併用していくのがよいとしています。また、ボーナスがでたときに投資するのもよいとしていますが、これは、個人的には、一年に2回くらいは急落するときがあるので、ボーナスがでたときではなく、急落したときに、ボーナス分を投資すればいいのかなと思います。

あとは、アセットクラス別の検証や、年齢別の積立必要額など、積立投資などに関するさまざまなことがのっていますので、短期売買に疲れた方や、老後資金がほしい方など、多くの人に役に立つと思われますので、一読といわず何度も読むことを推奨します。

(bblue 40代 会社員)


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