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ロジャー・マレーの証券分析

ロジャー・マリス(メジャー・リーグでベーブルースの年間最多本塁打を破った強打者)なら知ってますけど、ロジャー・マレーって誰!?と思ったのは僕だけではないはず。

ロジャー・マレーとは、1911年に生まれ、銀行員、エコノミスト、教授、ファンドマネージャーとさまさまな職業遍歴をなした人物です。現代風にいうと年齢を重ねるに従ってライフシフトをしていった人物といえるかもしれません。マレーはバリュー投資における安全性分析にて功績を残した人物でもあります。

この本の中で特に印象に残った部分は、マレーの知人であるグリーンウォルド教授によるフランチャイズ企業による競争優位の重要性や、ミスプライスや安全性分析の方法論等についてや、分析における規律の重要性など、バリュー投資を行う上で重要な事項が多々描かれております。さらに後半のインタビューで、皆に知られていない銘柄をどのように分析して投資にもっていくかを簡略化して書かれている部分は特に参考になりました。

内容的にはやや抽象的に記載が多いです。具体的な投資手順等につきましては、同じ著者(ポール・ジョンソン&ポール・D・ソンキン)による著書である『パーフェクト証券分析』(難解な面もあるかもしれません)に記載されています。

50代、bblue、自営業兼投資家


この本は、手に取って読んでみるまでは、マレーの考え方を単にまとめた証券分析の解説書だと思い込んでいたが、読み進んでいくうちに、効率的市場仮説がまだ発表されていない株式投資が投機と言われていた時代に、マレーがどのような経歴を持ち、しっかりとした座標軸を持った証券分析による株式投資の考え方を確立し、それを講義形式で後世の人に伝えようとしていたことが徐々に分かってくる。

マレーは、大手米銀でエコノミストやファンドマネジャー等を経験しており、実務に即した株価のミスプライシングによる投資機会があることをよく知っていた。

「市場の価格付けを見て、その価格に織り込まれている予想がどのようなものなのか割り出すことだ」という考え方や、それ以外にも証券分析において重要だと思われることが随所に書かれており、普通の証券分析の本とは少し異なる、なかなか読み応えのある本だと思う。

骨太の株式投資をしたいと思っている投資家は、是非一読をお勧めする。

炎のディーラー


本書1993年のマレーによる講義が収録されている。マーレーはグレアムの流れをくみ「安全域」について繰り返し丁寧な解説をしている。 その主張は特に目新しいものではないが、なお、効率的市場仮説に対抗しうるファンダメンタルズ派の発想をあらためて知るという意味で有益であろう。

ボラティリティが大きいことは時間軸にとらわれない投資スタンスであればリスクではないとする発想も、なるほどと思わされるところがあった。

本書は著者の2人がマーレーの講義録の解説的なコメントを講義録の途中にはさみこんでくれているのが特徴で、これがあるため内容がわかりやすくなっている。

反面、冒頭部分のマーレーの来歴等の部分は原著の翻訳どおりなのかもしれないが日本語訳の書籍としては簡略化されてもいいかなと感じた。

全体としては「安全域」「株式の本源的価値」「リスク」などについてあらためて考え直させてくれる契機となる一冊であった。

個人投資家 ふしみん 27年
鳳凰堂のランダムウォーカー



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