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大変満足しました。機関投資家の動きについて、深く理解でき、チャートの動きの裏側を見ることができました。
I.Y様 岡山県 42歳
著者の基本的な認識は「まず出来高・価格分析を行うということは、すべての主要な市場はインサイダー(内部の人間)たちに操作されていることを意味する。」というところからはじまる。どうも、この前提そのものを即座に全面的に受け入れるのは難しい。
本書では多くのチャートが示され、その解説がなされている。その内容の多くはローソク足の基本的な解説と似通っているもので、日本ではこの内容はポピュラーなものに近いようにに感じられた。
ただ、個別銘柄であれば著者の言うようなインサイダーの操作もありえそうだが、事例としてのチャートは個別銘柄にとどまらず、商品や通貨、国債など幅広い金融商品に及んでいる。となると、価格を動かすような影響力のある売買主体の存在そのものはあるとしても、これを「すべて」「操作されている」と断言しきるのは難しいように思う。これは私自身の「インサイダー」についての捉え方が浅いからかもしれないが。
ただ、示されているチャートは、テクニカル分析の解説チャートは必然的に自説にあてはまるものをご都合主義的に示すことになるという点を割り引いても、出来高の急増が価格変動の転機となっている例が多い。これはセイリングクライマックスと呼ばれる急落の最終局面での出来高増加や一本杉的な熱狂的急上昇後の株価下落など、よく我々が見かけ感じる株価変動のイメージと合致する。
一般に我々は株価そのものの変動のみに着目し意識がいきがちとなるが、本書を読むとあらためて出来高、とりわけ出来高増加の意味について考えてみることの重要性に気付かされるところがある。
全体としての本書の指摘は、ある意味、効率的市場仮説の考え方に似ている。それは、「全面的にその考えに同意することはできないが、多くの場合、市場や株価は指摘されているように動いていることが多いと感じられる」というものである。
本書は私自身のテクニカル嫌いを全面的に払拭させてくれるようなものではなかったが、出来高の意味についてあらためて考えさせてくれるよい機会となった。
ふしみん・50代・個人投資家
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