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アセットアロケーションの最適化

ここ数年ポートフォリオ構築にあたり、そもそもアセットアロケーションの正解は何か思い悩んでいましたが、本書を読んで、トップダウンのハンドクラフト方は大変わかりやすく実践向きで、多くの例示や図表がとても参考になりました。

茨城県 O.R様 40代



ポートフォリオのリバランスについて、とてもわかりやすく説明されていて最高だった。

福岡県 S.S様 21歳



資産運用にあたって、その資産をどのように配分していけば良いのかを考えても完璧な答えはありません。このアセットアロケーションの分野には未来を完璧に予知できない限りそもそも正解というものがないからです。

例えばリターンを最大化しようとしても、過去のデータで利益が最大化したという事は、未来も過去と同じでない限りそのパフォーマンスを出す事はできません。また、シャープレシオを安定化させようとしても検証データ期間を少し変えただけでシャープレシオは大きく変化してしまう敏感な指標です。

本書ではこの「未来」の不確実性とデータによる「過去」の不確実性についてから説明されており、これらはシステムトレーダーにも勉強になるはずです。

リターンよりも比較的精度の高い推測ができるもの、不確実性を数値化する方法など有益な情報が前半部から多く書かれています。

また将来のリターンを控え目にみる事は結果的にコストを重要視する事につながりますが、投資コストの項目1つにここまでページを割いた書籍はなかなかないでしょう。

本書でのメインとも言えるトップダウンのハンドクラフト法は拍子抜けするくらいシンプルです。 このハンドクラフトによる資産配分の大きなメリットは自国や好みのアセットに配分を大きくしてしまう人間のバイアスを未然に防ぐ効果があり、データの変化にたいして堅牢な手法です。

シンプル過ぎて直感的に使用している方もいるかもしれませんが、これを感覚ではなく知識として使用するのでは後々大きな違いがでてくると思います。 他にも多くの有益な情報に満ちた700ページもの大容量です。

投資の本にはこうしなさいといった極論を書くものが多くありますが、リスクを大きくとっても大きなリターンを狙うポートフォリオ、リターンを小さくしても安定を図るもの、その中間をとるものなど、リスク選考具合は全員が同じではありません。 「安全な資産の危険性」を紹介する項目などはリスクを低くすればよいものではないなど、思考の停止がいかに危険かを教えてくれます。

本書では試みや議論を重ねながら、再考しなければならない多くのものを指摘してくれる構成となっており大変勉強になりました。

ホワイトデー
トレーダー、投資歴(FX 先物15年)


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