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相場の世界では常に、あるタイミングで ヘッジファンドと呼ばれるビックプレイヤーが 様々なスタイルで波を起こし、ひしめき合っていますが 彼らの中でも、最も上位に位置する、 「神の領域」にいる人間とはどういう人なのか? その素顔に迫った希有な本です。
現在、隠れ世界一の大富豪と噂される レイ・ダリオの人物像を追ってこの本にたどり着きました。
彼が一冊まるまる書いた本というのは、 今のところなく、ヘッジファンドの素顔を追った本では、 『続マーケットの魔術師』 『リスク・テイカーズ』 などの著書で、常連のように特集されています。
今回この『40兆円の男たち』の中でも、 レイ・ダリオのインタビューを交えた新たな一面や 金言が各所にちりばめられており、 彼の広く大きな視点で世界を見る事から 組み立てるマクロ戦略、特にアメリカと中国の関係と それに伴う通貨のあり方など、一連の思考の流れが 参考になりました。
そして、至る所でレイ・ダリオが述べていて、 中でも印象的だったのが、唯一最大の影響力が あったものの一つに、瞑想を上げていた事です。
真実の追求・自身への進化を常に求める レイ・ダリオらしさが満載のセクションでした。
その他にもデビット・テッパー、 ダニエル・ローブなど、錚々たるメンバーが 次々と登場しています。
何故こんなにスゴイ人脈を持っているんだろう?? と思ったら、本書の著者はTVプロデューサー。
投資情報番組「スクオーク・ボックス」という 番組つながりのようですが、この番組が面白そうで テレビで空売り入門を流してしまうなど、 日本でも見られたらいいのになぁと思いました。
とにかく、金額のスケールが大きく、 それを指揮する彼らの胆力の強さに惚れ惚れします。
しかし、今は華々しく凄腕の彼らも、 最初から大きな金額を動かしていたのでも、 凄かったわけでもなく、投資の世界に没頭し、 コツコツ積み上げてきた地道な努力を重ねて来たこと。
特にマーク・ラスリーの
「その投資がどんなに素晴らしいかなんて知りたくない。
どのような打撃が考えられるのかを知りたい。
投資に失敗しても守られるとわかったら、
そこで初めて成功した時の可能性について考える」
という言葉は、どのような市場にも通じる 名言だと思います。
リスクを徹底的に考え、向き合い、
そしてトータルで利益を出していく。
苦い経験や、失敗談の数々も惜しげもなく
そして何より、神の領域にいる人間の
「こういう時はこう考える」
「こういう時はここを見ている」
その視点を知ることができたのは、
素晴らしい収穫でした。
何度も読み返して、しっかりと
達人達の思考を脳に刻みつけようと思います。
falco
この本は、合計9組のヘッジファンドマネジャーたちの半生やその投資履歴などを綴っています。 その投資手法は、グローバルマクロやイベントドリブンなどといったヘッジファンドとしては おなじみのものです。
2014年にはアメリカの年金基金であるカルパースが、ヘッジファンドへの投資は、その高い手数料の割には利益が大したことはないといってやめることを表明したりして、必ずしもヘッジファンドが順風満帆ではないですが、リスク管理をしっかりした優れたヘッジファンドマネジャーであれば、数年以上の単位でみればよい成績を収めることも可能かと思われますので、ヘッジファンド自体はまだ活用の余地があるのかなと思います。
具体的な登場人物としては、まず、2015年始めにファナックに対して「手元資金を自社株買いをしたりして有効活用すべき」と、いちゃもん、もとい、提案をしたアクティビストであるサード・ポイントのダニエル・ローブ氏の話が載っています。 彼は、歯に衣を着せぬ物言いが特徴らしく、米ヤフーなどにも皮肉たっぷりの文書を送りつけて、結局彼はヤフー相手に大きなチャンスをものにしたのでした。この本で紹介されているもう一人のアクティビストのアックマンの話もそうなのですが、個人投資家もこういったアクティビストの動きを追って投資するというやり方はありかもしれないと思いました。
あとは、日本でもかつて投資できたマングループのAHLのCEOであるティム・ウォンやサブプライムローンの崩壊をいち早く予見して多額の利益があげたジョン・ポールソンなどの話も興味深いです。
ヘッジファンドのマネジャーや投資手法について詳しく知りたいときに、この本は特に役に立つことでしょう。
bblue 40代 自営業兼投資家
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