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粉飾決算といえば米国のエンロン社の例が想起されるが、本書は企業の決 算の内容・方法や、数字について、どうその内容をねじ曲げることがあるかを 具体的な事例を多く取り上げながら解説したものである。
合法的な範囲内で数字を操作する、損失を隠そうとしたり利益を先送りしたりす るようなことは、多くの企業で実際に行われているが、一般の個人投資家がそれ を見抜くことはなかなか難しい。
企業にとっては、数字を操作することは様々な点で意味があるため、このような こと(合法的な範囲での数字の操作)はなくならないとまず認識するべきであろう。 この数字の操作には様々な方法があるが、その具体的な方法や内容について、 本書では章を分けチェックリストも用意しながら詳しく解説している。
全体として非常に丁寧で詳しい内容である。 しかし、翻訳ものであるため当然だが、本書の会計基準等はすべて米国国内の ものであり、示されている具体例も米国の会社のものばかりである。また、決算書 やバランスシートの読み方についての基本的な知識がないと、専門的な用語も頻 出する(語句についての解説は各章ごとにはあるが)ため、即座に本書の内容を きちんと理解するのはなかなか難しいだろう。
自分が中心的に投資しようとする銘柄について、基本的な決算書の読み方につ いて一定の理解をした上で、本書のチェックリストなどを活用しながら、その企業の 会計上の特徴なり経年的な変化について、深めた理解をすることは、株式投資を 中長期スタンスで行っていく場合は、かなり有用で意味があると思われる。
(ふしみん 男性 公務員 40代)
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