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アウシュビッツから生還し米国へ移住した臨床心理士であり心理学博士である著者が、自らの経験を深く振り返りつつ、我々がとらわれる様々な心の「監獄」のについて、そこから抜け出すための発想、方法について、自らの豊富な臨床体験を例に引きながら解説した一冊。
両親を失い生き地獄だったアウシュビッツでの体験すら、それを自分の「教室」として描き出す著者の言葉は極めて重い。
被害者意識、罪悪感、後悔・悔恨、悲しみ、恨みなど、我々はなにかしら様々な心の中の課題を抱えながら生きているものだが、著者はそれを「心の監獄」と表現している。
著者が描き出す様々な「監獄」については、程度の差はあれ、誰でも思い当たることがあるはずである。
単に著者の見解を無批判にそのまま受け入れるというより、それを参考にしつつ、自分自身の現在のあり方について深く考え、その課題や進むべき方向性について自己理解を深めることは人生において極めて有意義なこととなる可能性があるだろう。
なお、著者には『アウシュヴィッツを生きのびた「もう一人のアンネ・フランク」自伝』という本もあり、こちらも読んでみたいと思った。
ふしみん、60代、個人投資家
鳳凰堂のランダム・ウォーカー
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