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ゴミ投資家シリーズで有名な「海外投資を楽しむ会」の書籍。パート1はオフショア バンク編ということで、このシリーズでお馴染みのAbbey National Offshoreを取り 上げている。そしてパート2のオフショアファンド編では、 過去のシリーズから美味しいところをピックアップし、最新情報を盛り込んで内容を 掘り下げた超実践的な入門書といった趣である。この一冊で我々もタックスヘイヴン の恩恵に与ることができるという訳だ。
一般的なイメージとは異なり、海外の金融機関に口座を開くことの敷居の低さには今 更ながら驚かされる。最低預金額が少ないこと、預け入れや引き出しが柔軟に行える ことなど、私のようなごく普通のサラリーマンでも気軽に利用できる環境が整ってい るようだ。そして何よりもインターネットを使った様々なサービスが提供されている ことが嬉しい。国内の金融機関でも最近はネットバンキングが一般化してきたため に、わざわざ支店の窓口に行く必要性はなくなりつつある。それに慣れてきた我々に とっては、オフショアバンクの地理的な距離は大したマイナス要因にはなり得ないだ ろう。口座によっては預金の引出しも郵便局のATMからカードでOKとのことで、もは や海外の銀行でも町内の銀行でも同じ感覚で利用することができそうだ。なんとなく 難しそうな申込書の記入方法やWebサイトの使い方なども、事細かに図解されていて 安心できる。英語が苦手だからといって尻込みする必要もなさそうだ。
本書は投資の理論や心構えではなく、延々と手続きの進め方について具体的な説明が 続くマニュアル本である。しかし「Cool & Smartな投資家を目指して」というコンセ プトにも表れているように、実に軽いノリでまとめられていて非常に読みやすい。ま るで海外旅行に行く前に現地のガイドブックを読んでいるような気分、とでも言えば お分かり頂けるだろうか。金融機関のオフィシャルな口座開設ガイドも、この本のよ うにまとめられていたら利用者としては嬉しいのだが。 そのような非常によく出来た本だけに、読後すぐに海外口座を開きたい、ファンドを 購入したいという気分にさせられる。しかしながら、実際には海外の金融機関との取 引にはトラブル時の対応などマイナス面も沢山あるはず。本書ではその部分について は軽く触れられている程度なので、タックスヘイヴンのバラ色の印象だけが残ってし まう恐れもある。確かに海外の金融機関に口座を開き、取引きを行うことの敷居が低 くなったのは事実。これは嬉しいこととして受け取っておこう。しかし、それを本当 に活用することができるかどうかはまた別の問題である。投資は自己責任ということ は常に肝に銘じておかなければいけない。
最後に。金融機関のサービス内容や手続き方法は頻繁に改変されるものである。この 本が出版されてから変更された事項については、海外投資を楽しむ会のサイトに追加 情報まとめられているので併せて参照して頂きたい。このようなしっかりしたフォ ローも含めて、実際に海外投資を始めてみようと考えている人には大いに役立つ一冊 だ。 (cypher 30代 会社員)
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