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企業舎弟

鹿島 勤監督 VHSビデオ 98分

誰が言ったか知らないが「企業舎弟」ってインパクトある言葉ですねー。
就職活動してた頃、スーツは板に付いてるんだけど、着るとヤケに
やさぐれてみえるトモダチを、こう呼んだことがありましたねえ。

このビデオ「企業舎弟」、
本所次郎の同名小説が原作となっていますが
登場人物等の名称はそのままに、原作とは違ったストーリーと
なっているので、原作から読んだ方は、同じ雰囲気を味わいつつも
一粒で2度おいしい企業舎弟の世界を堪能できることでしょう。

この作品はビデオだからそんなこと起こらないんだろうけど
男の人はこういうの観たら、すっかり主役になり切っちゃって
肩で風切って歩いちゃうんだろうなあ。
現代ならこういうのが、以前の東映やくざ映画とかに代わる
カレスクヒーローなのね。
確かに「今」を描くなら、こういう方が説得力あるもの。
また永島敏行がいいんですわ。主役が二人かという感じでした。

さてその主役はというと、あの川野太郎が大活躍です。
澪つくし以来十余年、ミドル層を中心に
「私ったら、実は川野太郎ファン」
と言う方は多いのではないでしょうか。
私の友人Mもそうです。
なんたって太郎が主演だもの。一緒に観てたらM大喜び。
左遷の憂き目にあう太郎や、
縛られる太郎や、
ワルぶる太郎や、
かっこよく見得を切る太郎や、
女を抱いて上に下にの太郎が観られるものねー。
というわけで、やくざ映画に欠かせないベッドシーンもこなしてて。
個人的には高島礼子との朝のシーンが好きです。
何かそこだけ太郎の雰囲気が違うのよ。
そこだけ役作りから抜け出しちゃってる感じがしてね、
女に大甘というか、逆に女に甘えてる太郎がいました。
いいねぇ。やっぱりそういう時男には、
限りなく優しく甘くくすぐっててほしいもんだねぇ。くーっ。
もしかしてあのシーンって、台詞がみんな太郎のアドリブなんじゃないかしら。
なぜかしらそんな気がしました。

そんなこんなで太郎ファンMも大満足のビデオでした。
って、友人のことにしておいて実は自分が太郎ファンだったりして?
そ、そんなことないもーん。

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