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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/09 12:37, 提供元: フィスコ

AIAI Research Memo(7):認可保育事業と療育事業の育成に向けM&Aを継続し、次なる成長フェーズを目指す

*12:37JST AIAI Research Memo(7):認可保育事業と療育事業の育成に向けM&Aを継続し、次なる成長フェーズを目指す
■成長戦略

1. 事業環境
AIAIグループ<6557>が展開する「AIAI三育園」を取り巻く事業環境として、認可保育園の分野(AIAI NURSERY)については、2023年4月にこども家庭庁が発足し、少子化対策及び教育・保育の質の向上のための取り組みとして2024年度から保育政策が大きく転換している。また発達障害を抱える子どもの数の増加に伴い、児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援等の障害児通所支援に対するニーズが急速に高まっている。こうした状況を勘案すると、保育・療育・教育を一体的に提供する同社の「AIAI三育園」にとって事業環境は良好と弊社では見ている。

2. 中長期成長戦略
同社は中長期成長戦略として、既存のAIAI NURSERY、AIAI PLUS・AIAI REST、AIAI VISIT及びChaiLDの成長を図るほか、M&Aを活用して「AIAI三育園」の規模拡大とシナジー最大化の加速を掲げている。

AIAI NURSERYについては、待機児童問題の解消により業界全体で認可保育園の新規開設数が鈍化している状況を踏まえ、今後市場が成熟期を迎えることも念頭に置いて新規施設の開設ペースを抑制する方針だが、同社が強みとする幼児教育プログラムの一層の充実により、就学前教育を期待する保護者のニーズを捉えたポジションを目指し、M&Aも活用しながら利益の安定成長を推進する。また、障害児通所支援に対するニーズが急速に高まっているため、AIAI PLUS・AIAI RESTをAIAI NURSERYに次ぐ成長の柱として育成する。AIAI VISITについては訪問支援員増員や認知度向上により、さらなる訪問支援件数拡大・訪問率上昇を推進する。当面の重点施策として、2027年3月期は新卒職員の配置拡大を推進する。これによって一時的に訪問単価は低下するが、訪問件数の大幅な増加により売上高の拡大加速を図る。

M&Aについては、認可保育事業と療育事業を最優先ターゲットに「AIAI三育園」の拡大と強化に寄与するM&Aを継続し、「AIAI三育園」のシナジーにより保育園数・療育施設数の増加、園児数・利用者数の増加、幼児教育・写真販売・訪問支援の横展開などを推進する。さらに「AIAI三育園」との親和性が高く、売上総利益向上・本部効率化に寄与する周辺領域のM&Aも検討する。M&Aのルールとしては、キャッシュ・フローを重視してEBITDA倍率の上限を設定し、初年度からのれん償却後営業利益が黒字となる案件や、再現性のあるPMIによってシナジー創出を見込める案件としている。そして「AIAI三育園」の横展開とPMIの実行により、シナジーの早期創出による利益貢献を生み出す。

なおM&A後のキャッシュ・フロー(以下、CF)と財務規律については、財務安全性を確保するためNet Debt(純有利子負債)/EBITDA、営業CF/EBITDA、のれん償却後営業利益を財務KPIとして管理する。2026年3月期末時点では、KGH及びMPJの株式取得に伴う有利子負債増加によりNet Debt/EBITDAが8.6倍に上昇したが、2027年3月期末時点ではEBITDAが27億円へ拡大し、Net Debt/EBITDAは約5.7倍に低下する見込みだ。営業CF/EBITDAは2026年3月期に約50%へ低下したが、PMIによる収益改善を通じて営業CFの創出力向上を図る。さらにM&A投資規律として、買収後の営業CFが年間元利返済額を上回る案件を原則として、PMIによるEBITDA拡大と借入返済の両立を図る。そして「AIAI三育園」の横展開と再現性のあるPMIにより、M&A後の収益性向上と財務レバレッジの改善を両立し、EPSの継続的な向上を目指す。

3. 弊社の視点
同社は2023年3月期に営業黒字転換した後は順調に売上高・営業利益を拡大させている。収益化したAIAI NURSERYが過半を占めるようになり、さらにAIAI PLUS・AIAI RESTも順調に拡大し、先行投資を吸収して安定的に利益を拡大できるステージに入ったものと捉えており、この収益構造の転換を弊社では高く評価している。今後は、これら既存事業の持続的な成長をベースとしつつ、直近のM&Aを契機とした「AIAI三育園」のスケールメリットとシナジーをいかに発揮していくかが、次なる成長フェーズのカギとなる。2027年3月期はM&Aに伴うのれん償却費の増加、MPJのPMIに関わる費用の発生により営業利益は小幅増益にとどまるが、M&A効果によって大幅増収・EBITDA増益となり、収益ステージが一段階アップする見込みだ。したがって今後もM&Aによって成長が加速する可能性があり、M&AやPMIの進展状況が今後の株価及び業績を占ううえでの重要な焦点になると見ている。



■株主還元策及びサステナビリティ経営

株主優待を廃止し成長投資へ集中。上場維持基準は前倒しで適合を達成

1. 株主還元策
株主に対する利益還元については、現在は成長過程にあり、事業拡大に向けた積極的な設備投資や財務体質の強化を行うことが、株主に対する最大の利益還元につながるものと同社ではとらえている。このため創業以来配当を実施しておらず、当面はこの方針を継続すると見られる。将来的には、各事業年度の経営成績や財政状態を勘案しながら株主への利益還元を検討するが、現時点において配当実施の可能性及び実施時期等については未定としている。なお株主優待制度については2026年9月30日を基準日とする実施を最後に廃止する。同制度は2024年9月に導入され、同社株式への認知度向上及び投資家層の拡大など相応の成果が確認された。同社では当初想定していた役割を一定程度果たしたものと認識しているが、株主優待による還元よりも、収益力の向上及び成長投資を通じた企業価値・株式価値の向上を優先することが、株主の中長期的な利益に資すると判断した。自己株式取得については、資本効率、株価水準、財務余力を総合的に勘案して検討する。

また同社は、2024年3月末時点で流通株式比率がグロース市場の上場維持基準に適合していなかったため、2024年6月26日付で2026年3月末までを計画期間とした「上場維持基準への適合に向けた計画」を策定した。基準達成に向けた取り組みが奏功し、2025年3月末時点でグロース市場におけるすべての上場維持基準の適合が確認され、計画を前倒ししての達成となった。2026年3月末においても同様にすべての上場維持基準に適合する見通しである。

2. サステナビリティ経営
サステナビリティ経営への取り組みとしては、グループビジョンである「人口問題を解決する」を根幹として、質の高い保育の提供や地域の保育ニーズへの貢献、女性活躍推進や多様な働き方実現、業務効率化やペーパーレス化による環境負荷軽減など、事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献している。今後も人的資本面においては、すべての社員が働きやすい環境整備や人材育成を進める。AIAI NURSERY、AIAI PLUS・AIAI RESTにおいては、施設で働く職員のライフステージや働き方などの志向に応じたワークスタイルの選択肢を増やし、仕事と家庭の両立をサポートすることで長く活躍できる職場環境の構築を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)


《HN》

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