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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/12/02 11:08, 提供元: フィスコ セレコーポレーション Research Memo(8):選択と集中で差別化を深化させる「ビジョン2030」全社戦略*11:08JST セレコーポレーション Research Memo(8):選択と集中で差別化を深化させる「ビジョン2030」全社戦略■セレコーポレーション<5078>の成長戦略 2. 全社戦略 「ビジョン2030」の全社戦略として、「入るを量りて出ずるを制す」を念頭に、限りある経営資源を選択と集中によって絞り込み、圧倒的な差別化により付加価値を提供する。「セレフィロソフィ」の原理原則である「ニッチャーであれ」に基づき、「ゲスト」「エリア」「構造」「対象」を選択と集中により絞ったニッチ戦略を進める。ゲストとなるターゲットを、住まいにこだわりを持つ「未来を担う若者たち」に絞り込み、東京圏(1都3県)に事業エリアを限定する。開発においては、東京都城南・城西地区の角地に特化し、耐震性を兼ね備えた、自社工場生産により高品質が保てる鉄骨造に限定する。加えて、「My Style vintage」による差別化商品を展開し、リスクが低く市場成長率が高い「収益不動産」を重視する。これらのニッチ戦略により経営資源を集中させ、圧倒的な差別化による付加価値の提供を実現する。各施策の実行に際しては、取締役常務執行役員が委員長となり、下部組織に分科会を設けて改革を推進する。 3. 重点施策 「ビジョン2030」の重点施策として、「収益力の改善」「生産性の向上」「アパート経営に派生する新規ビジネスモデルの構築」を掲げている。収益力の改善に向けては、「My Style vintage」の商品構成比100%を目標に、同社独自の賃貸・建物管理メニューを拡充する。また、足元では「My Style vintage」の最上位グレード商品「vintage G-class」の新設が予定されている。コンセプトに沿った高級感を重視した内装を計画しており、従来製品と比較して同社のブランド価値をさらに向上させる狙いがある。生産性の向上に向けては、デジタル化による効率化や技術改革による工期短縮、ロボット等による自動化推進、共通部材による生産の効率化を進める。アパート経営に派生する新規ビジネスモデルの構築に向けては、請負・開発・管理以外のシナジーの効いた事業による多面的経営の展開を検討する。付加価値向上による収益力強化と効率性重視による費用削減を両輪で推し進め、高利益体質を創出していく。また、各施策の目的・手段・効果・目標を設定し、改革・改善により課題解決を目指す。 4. 投資計画 同社では、「ビジョン2030」で作成した定量目標を達成するため、損益バランスを考慮しつつ、2030年2月期までに総投資額55億円規模の投資計画を定めた。内訳として、セレアカデミーの運営や働き方改革等の人財開発に7.5億円、設計施工や生産の技術改革に7.5億円、プロセス改善による効率化を図るべくデジタル改革に5億円、研究開発や新規事業といったその他改革に35億円の投資を見込んでいる。同社の投資計画は、現状の資金残高や不動産事業資金、2年分の内部留保、運転資金を総合的に勘案したものであり、損益バランスに考慮した実現可能性の高い投資計画であると弊社では見ている。 5. 人的資本経営 同社では、人的資本を企業価値の向上や経営の根幹であると捉えている。「ビジョン2030」では、「人財の活性化」「人財育成」「人財獲得」「待遇・制度整備」の観点において、企業価値を最大限に創造するための施策を実行する。具体的な施策について、「人財の活性化」においては、役職定年制を導入するとともに、従業員のエンゲージメント向上に向けた各種施策、時間や場所にとらわれない働き方を推進する。「人財育成」においては、セレアカデミーの運営を通じて、経営陣・社員が持つべき判断基準・行動指針を明確にする。また、キャリアパスを定め次世代経営者の育成を進めるとともに、リスキリング(学び直し)の推進により専門性の高い人財を育成していく。「人財獲得」においては、企業価値の創造を支える専門性の高い多様な人財を採用する方針である。新卒・中途を含む採用戦略の策定や新卒者の育成体制の確立を進め、次世代を担う若手の採用にも注力する。また、ジョブ型雇用についても促進する。「待遇・制度整備」においては、平均年収900万円を目標に、ベースアップや業績配分の総原資見直しを行う。週休3日制導入についても検討を進めている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司) 《HN》 記事一覧 |